要点を押さえた遺言書の解説

60歳以上から始める。要点を押さえた遺言書の書き方

要点を押さえた遺言書の書き方

定年を迎えたあなた。最近、娘たちが使っているスマホが欲しくなり、自分のスマホを手に入れていろいろと情報を手に入れられるようになったのではないでしょうか。

 

その時に、偶然、相続対策に関する情報を知り・・・私が死んだあと家族が争わないかと心配になったのでは?

 

そして、相続のことをどんどん調べていくうちに、相続を争続にしないためには遺言書を作っておくといいという情報を知り、私も遺言書を作っておけば大丈夫なのではと思ったのではないでしょうか。

 

今回は、そんなあなたの為に遺言書の書き方をお伝えします。これを読めば、しっかりと要点を押さえた価値ある遺言書ができるようになります。

遺言書に必要な5つの要点

遺言書を書くときは好き勝手な内容を書いてもいいですが、それではただの手紙になってしまいます。それでは、せっかく書いた遺言書の効力がなく何の意味もなくなってしまいます。そうならない為にも、しっかりとした要点を押さえて書くことが重要になってきます。

 

それでは、遺言書の5つの要点を挙げます。

●すべて自筆で書く。
●作成年月日を明確に書く。
●本名で必ず書く。
●押印を確実にする。
●法効力に沿った内容を書く。

この5つの要点を満たすことが遺言書には重要になってきます。

すべて自筆で書く

遺言書を作るときは、すべてあなた自身の手で書かなければいけません。緊張すると思いますが、ペン(鉛筆不可)を持って普段通りに書いているように書いていくことです。

 

そうすることで、相続人たちが見たときにあなたことを思い出しすごく大切な品になるはずです。書くときは、家族などを思って丁寧に書くようにしてください。

作成年月日を明確に書く

内容ばかり気にして、うっかり書くのを忘れてしまうのが作成年月日です。これを忘れてしまうと、遺言書としての効力が無効になってしまうので気をつけなければいけません。

 

遺言書を書き始めるときは、最初に作成年月日を書いてしまうといいでしょう。

 

例えば、
2019年2月14日
などのようにはっきりと作成した日が分かるようにしなければいけません。

 

書き忘れ以外にも、昔の人でよくあるのがめんどくさがり2019年2月末日と書いて無効になってしまう遺言書もありますので気をつけたいところです。

本名で必ず書く

あなたが、芸能人で芸名が広く周知されていれば芸名で遺言書を作成しても問題ありません。しかし、遺言書の真偽の争いを無くすためにも名前も本名で書いておいた方がいいでしょう。当たり前ですが、名前も必ず自書になります。

押印を確実にする

遺言書がすべて書き終えたら、名前の横に押印をしましょう。押印がない遺言書は、無効になってしまうので気をつけなければなりません。実印でも認印でも可能です。

 

まさかシャチハタで押す人はいないと思いますが、シャチハタでも問題ありません。しかし辞めてください。いろいろな理由はありますが、かっこ悪いの一言です。シャチハタのように大量生産ができ気軽に使えて便利なものですが、遺言書ような真偽が問われる大切な書類には不向きです。無難に、実印を押しておくことが望ましいでしょう。

法効力に沿った内容を書く

遺言書で最も重要なとこに来ました。遺言書を作成を考えたとき、『妻にすべて渡すか。』『預金は娘たちに均等に分けるか。』もしくは、『大切な人に少し分け与えたい』とか。あなたの心で思っていることを具体化させるところになります。

 

では、どんなことを内容が法的に有効なのか、

・あなたが所有する財産
・身分に関すること
・遺言を執行する人の定め。

を説明します。

あなたが所有する財産

あなたが有する財産を、相続関係人にどう受け継がせたいか。家、土地などの不動産から預貯金、車などあらゆるものが財産になります。もしあなたが墓、仏壇も守っていればそれも祭祀という形で財産になります。遺言書では、この財産の分配方法や相続関係人の指定ができます。

身分に関すること。

『お前は勘当だ。これから佐藤家の名は継がせない』などドラマで見たことがあると思います。このように、近血族人を、相続人から外す指定相続人の廃除や取消が遺言書できます。

 

まぁ、先ほどの例のように『勘当だ』だけで簡単に廃除はできませんが・・・あなたに対する虐待など重要な法律要件に該当しなければ、廃除できないことになっています。また、逆で知らない間に子どもいた場合などに、『その子は私の子だ』という認知も遺言書でできます。

遺言書を執行する人の定め。

せっかく遺言書を作ったのにその内容が実行されなかったらどう思いますか。そりゃ作った意味がないだろ・・・と思いますよね。

 

そうならない為にも、遺言書で遺言書内容を実行してもらう人を指定しておくことができます。これを遺言執行人と呼びます。指定しておくことで遺言書発見後スムーズに相続手続きが進められるようになります。

遺言執行人は義務。

遺言書で指定された遺言執行人を本人(予定執行人)が受領した場合は、遺言書内容を速やかに実行しなければならない義務が生じます。受領した人と書いてあるので、拒否もできます。拒否された場合は、相続関係人が執行人の選任を裁判所に申し立てて決めます。

 

ここまでが遺言書で法的効力が生じる内容です。
●あなたの所有する財産。
●身分に関すること。
●遺言書を執行する人の定め。
つぎに法的効力がないが、遺言書に書いておいた付言事項について説明します。

法的効力がない付言。

遺言書には法的効力が生じない内容も書くことができます。これを付言(ふげん)といいます。付言は法的効力はないが、書いといたほうが相続人たちが争わないように予防対策としての効力が生じます。

 

例えば、
『私が亡くなった後を心配してこの遺言書を作りました。妻、東子 今までありがとう。これから身体等に十分に気をつけて楽しい人生を送ってください。長女、茨子 二女、千子 三女、埼子は、遺言書の内容通り受け入れてくれると助かります。家族が揉めないように配慮して分配したつもりです。

 

最後になりますが、今後娘3人でお母さんを助けていってください。そして、これからも姉妹で力を合わせて頑張ってください。』

 

このように、付言ではあなたの想いを伝えることができます。ここで付言を書くか書かないかで、相続人関係が内容で揉めるか揉めないかも決まったりする大切な部分になります。

要点を押さえた書き方例

ここでは、文字だけを読んでも遺言書のイメージがつきにくいと思うので、実際に書いた画像を載せておきます。

 

自筆証書遺言の例
字が汚くてすいません・・・画像が見えにくいといけないので内容も書いておきます。

遺言書

作成日2019年2月14日

 

遺言者 鈴木 神奈男(昭和34年1月1日生)(以下遺言者)は、次のとおり遺言
    する。

 

第1条 遺言者は、妻 鈴木 東子 (昭和34年2月1日生)に下記の不動産を相続させる。

 

   (1)所在    茨城県○○市○○町〇○○
      地番    ○○番
      地目    宅地
      地積    ○○u

 

   (2)所在    茨城県○○市○○町〇○○  
      地番    ○○番   
      種類     居宅
      構造     木造        
      床面積   ○○u

 

 

第2条 遺言者は、長女 鈴木茨子(昭和59年3月1日生)次女 鈴木千子(昭和60年4月1日生)三女
    鈴木茨子(昭和61年5月1日生)にすべての預貯金を各3分の1ずつを相続させる。

 

第3条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。

 

 血  族   配偶者 
 職  業   無職
 氏  名   鈴木 東子
 生年月日   昭和37年1月7日生

 

 

 

付言事項
私が亡くなった後を心配してこの遺言書を作りました。妻、東子 今までありがとう。これから体等に気をつけて楽しい人生を送ってください。長女、茨子 二女、千子 三女、埼子は、遺言書の内容通り受け入れてくれると助かります。家族が揉めないように配慮して分配したつもりです。

 

最後になりますが、今後娘3人でお母さんを助けていってください。そして、これからも家族で力を合わせて頑張ってください。

 

鈴木 神奈男 ?

※遺言書の名前、内容は私が考えたものです。実物等は存在しません。

補足

不動産や車または宝石などを遺言書に記する場合は、証明になる物を用意して詳しく書いた方がいいです。証明書通りに記載しておけば、遺言書の内容を読んだ相続関係人たちが速やかに手続きが行えるようになるからです。

 

今回は、土地と建物を例で書きましたので証明となる物は法務局で取得できる登記簿謄本を例で書きました。

公正証書遺言にする場合

今回の遺言書は、自筆証書遺言として書き方をお伝えしてきました。もしあなたが公証役場で作る公正証書遺言を考えている場合はどうすればいいのかお伝えします。

 

全国どこの公証役場でも、公正証書遺言は作成できます。あなたが千葉県にお住まいだったとしても茨城県の公証役場でも作成可能ということになります。

 

最寄りの公証役場(←公証役場HPに飛びます)を探し直接連絡して、自筆で作成した遺言書を持っていけば公証人からアドバイス受けながら公正証書遺言を作成してもらます。なので、公正証書遺言を考えていても自筆証書遺言を初めに作っても無駄になりません。

まとめ

どうだったでしょうか。案外、遺言書を作るのは簡単だと思いませんでした。

●すべて自筆で書く。
●作成年月日を明確に書く。
●本名で必ず書く。
●押印を確実にする。
●法効力に沿った内容を書く。

この5つの要点さえしっかり押さえてしまえば、紙とペンがだけで書くことができます。

 

自筆の場合は書くのは大変かもと思ったなら公正証書遺言がおススメです。遺言書の内容をパソコンで書いたもの作成して公証役場に持っていけばいいだけです。公正証書遺言は公証人が代理して作成してくれますので、自分で書く手間が省けます。

 

それに公的証明にもなりますし、改ざんや作成の不備がなくなり遺言書の効力を確実に発揮してくれるのも公正証書遺言のいいところです。


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